ニキビの原因と対策

どうしてニキビができるのか(ニキビの機序)

① 健康な肌

皮脂は皮脂腺で作られ、毛穴を通って皮膚の表面に分泌されます。皮脂膜は肌の潤いを保ち、雑菌の侵入を防ぎます。

ニキビ菌は毛穴の常在菌で、普段は肌に害を与えません。


 

② 初期のニキビ(面皰)

古い角質により毛穴が塞がったり、皮脂の分泌が過多になったりすると、皮脂が毛穴の中にたまって面皰(コメド)を生じます。

ニキビ菌は皮脂を好み酸素を嫌うため、面皰の中で増殖します。


 

③ 赤ニキビ(紅色丘疹)、黄ニキビ(膿疱)

毛穴の中で増殖したニキビ菌は、炎症を起こす物質を作ります。

それにより毛穴の周囲に炎症が起き、赤く盛り上がったニキビ(紅色丘疹)や、膿がたまって黄色いニキビ(膿疱)になります。


 

④ 大きく腫れたニキビ(硬結・嚢腫)  

さらに炎症が進行すると、毛穴の壁が破壊され、皮下に膿の溜まり(嚢腫)や、硬いしこり(硬結)ができます。


 

⑤ ニキビ痕(瘢痕)

強い炎症がおさまった後、その部分の組織は収縮して硬くなります(瘢痕収縮)。

そのため皮膚の表面が陥没してニキビ痕になります。


 

ニキビの原因

思春期のニキビは性ホルモンの働きが活発になり、皮脂の分泌が増加することが原因です。

これに対し、20歳以降にできる大人のニキビには、様々な原因があります。(図を参照)

ニキビの治療

ニキビは良くなったり、悪くなったりを繰り返す慢性疾患です。

悪化した時だけに強力な治療を起こっても、治療を止めるとまたニキビはできてきます。それを繰り返していると、やがてニキビ跡が増えて消えなくなってしまいます。

将来ニキビ痕で悩まないために、症状が落ち着いてからも、ゆっくりと永く続けられる治療を継続した方が良いのです。

ニキビが悪化した時の治療

赤く腫れたニキビや、膿を持ったニキビなど炎症を起こしたニキビを治療する時には、毛穴の詰まりを改善する薬剤に加えて、ニキビ菌の増殖を抑制する薬剤を使用します。

症状が落ち着いてもニキビ予防のため継続する治療

炎症が落ち着いたからと言ってすぐに治療を止めてしまうと、すぐにまた治療前の状態に戻ってしまいます。

症状が落ち着いてもニキビを予防するために、毛穴の詰まりを改善する薬剤(過酸化ベンゾイルやアダパレン)は継続するようにしましょう。

補助的に行う治療

上記のような一般的な治療だけで効果が足りない場合や、一般的な治療に使用する薬剤が体質に合わない場合には、漢方薬(飲み薬)やビタミン剤(飲み薬)、アゼライン酸(塗り薬)、ケミカルピーリング、光治療 など補助的な治療を組み合わせます。

ニキビ肌のスキンケア

ニキビを触ったり、つぶしたりすると、化膿してニキビ痕を残す原因になることがあります。洗顔や保湿などのスキンケアをするとき以外は、ニキビに触れないようにしましょう。

化粧品は、ノンコメドジェニックな製品(容器の箱などに「ノンコメドジェニック」と記載されています。)を選びましょう。

※ ノンコメドジェニックとは、ニキビができにくいことを確認している化粧品のことです。

メイク落とし

メイクによる毛穴の閉塞はニキビを悪化させます。帰宅後はすぐにメイク落としをしましょう。

クレンジングを使用する際は、強くこすらないで、肌の上で指を軽く滑らせ、円を描くようにしてクレンジングとメイクをなじませます。それから、やさしく洗い流しましょう。

洗顔

洗顔は余分な皮脂と汚れ、毛穴をふさぐ角質を落とすために、とても大切です。少なくとも1日1回は石鹸を使用して洗顔しましょう。石鹸を使用する際には、①洗顔料をしっかりと泡立て、②手で肌をこするのでなく、泡を肌の上で転がすようなイメージでやさしく洗う、③洗顔料が残らないようにきちんと洗い流すことなどに気をつけましょう。

保湿

大人ニキビは乾燥肌の人にもできることがあります。また、乾燥肌がニキビを悪化させている場合もありますので、大人ニキビに対しては積極的に保湿をしましょう。

脂性肌の人でも、ニキビの治療薬(アダパレンや過酸化ベンゾイルなど)の影響で、肌が乾燥する傾向がありますので、使用する薬剤によっては積極的な保湿が必要になります。

ただし、油分の多いものを使用するとニキビを悪化させてしまいますので、低刺激でノンコメドジェニックな化粧水と乳液を使用しましょう。

紫外線に対するケア

ニキビの治療薬(アダパレンや過酸化ベンゾイルなど)の影響で、肌が紫外線に対して敏感になりますので、ニキビを治療中の人は紫外線対策が必要です。日傘と日焼け止めを積極的に使用しましょう。

日焼け止めを選ぶ際も、低刺激でノンコメドジェニックな製品をえらびましょう。

市販のニキビ薬やニキビ用スキンケア用品に関する注意事項

処方薬と市販薬を併用してしまうと、本来の処方薬の効き目が弱まったり、副作用ばかりが強くなる場合がありますので、治療中はけっして市販のニキビ薬を使用しないでください。

スキンケア用品に関しても、脱脂力の強い製品や、スクラブ入りの洗顔料、ピーリング効果のある基礎化粧品などを使用すると、処方されたニキビ薬の副作用が強まる可能性があります。低刺激でノンコメドジェニックな製品(大人ニキビ向けの製品)を選びましょう。

メイクに関して

 気をつけるポイントは

• ニキビを悪化させないように、ノンコメドジェニック製品や油性成分を含まない(オイルフリー)製品を選ぶ

• ニキビを上手に隠す

 の二点です。
 では、どうすればニキビを上手に隠すことができるのでしょう。そのためには次のようなことに気をつけましょう。

• カラーコントロール…補色を使う
 ニキビの赤みが気になる場合は、グリーン系の化粧下地やパウダーファンデーションを使用すると、周りの肌色と調和して目立たなくなります。

• ポイントメイク…ニキビから視線をそらす
 アイメイクやリップメイクなどのポイントメイクにより視線を目元や口元に集めて、ニキビから注意をそらします。

ニキビを悪化させない生活習慣

ニキビには生活習慣が大きく影響します。食事は栄養バランスを整え、3食規則正しくとること、睡眠を十分にとり、規則正しい生活をすること、ストレスや疲れを溜めないことなどに気をつけましょう。

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